愛知で醸す
酒粕バームクーヘン
江戸時代末期に庄屋を務めた水谷治右衞門が現在地に創業した酒蔵・水谷酒造。慶応元年に創業した菓子屋・三寿園。両者のコラボレーションで誕生した味わい深い醸造菓子です。有機肥料で育てたお米を醸した日本酒の酒粕を惜しみなく使い、40年の歴史を持つバームクーヘン作りの技術で、丹念に作り上げました。
「酒粕バームクーヘン めぐる」は、食米「あいちのかおり」を醸した純米酒「めぐる」の酒粕を練り込みました。純米酒「めぐる」は辛口で切れ味の良さが売りで、お菓子も旨味のあるさっぱりとした味が特徴です。
「酒粕バームクーヘン 奏」は、愛知産の酒米「夢吟香」を醸した純米吟醸酒「奏」の酒粕を練り込みました。純米吟醸酒「奏」はほのかな吟香とやさしい味わいが売りで、お菓子もフルーツのような吟香と上品な味が特徴です。
あいちで循環する うまし地酒
「めぐる」酒粕使用 酒粕バームクーヘン
純米酒「めぐる」の酒粕を練り込んで焼いたバームクーヘン。酒粕の香りを生かして「お酒はちょっと」という方にも親しんでいただけるように、作り上げました。
- 愛西市の酒蔵「水谷酒造」杜氏/水谷政夫
「めぐる」の原料米は、愛知産の食米「あいちのかおり」。お米の香りの良さや適度な甘みとさっぱりした味わいを生かすために、手作りでじっくり醸しました。
食品リサイクルからつくった有機肥料でお米を栽培する「リサイクルの輪」と、酒びんの再利用で資源を大切にする「リユースの輪」が共に循環して、地酒「めぐる」が誕生しました。酒造りにおいても、循環型社会づくりは未来への重要なテーマです。
- バームクーヘンをつくる「三寿園」/菓子屋・稲垣宝謙
私は6代目です。5代目が始めたバームクーヘンは、40年近くの歴史がありますが、レシピは変えずに“三寿園の味”を大切にしています。1層ずつ生地掛けを繰り返した後に寝かせます。これを2日間続けて“三寿園のバームクーヘン”ができ上がります。手作りなので不揃いですが、これも味わいのうち。酒粕は、香りや食感のバランスを取りながら、生地に練り込んでいます。
あいちのお米を あいちで醸す
「奏 KANADE」 酒粕バームクーヘン
純米大吟醸「奏」の酒粕を練り込んで焼いたバームクーヘンです。お酒好きの方にも喜んでいただけるように、ほのかな「吟香」を生かして品よくしっとりと作り上げました。
- 愛西市の酒蔵「水谷酒造」/杜氏・水谷政夫
「奏」の原料米は、山田錦を超える酒米を愛知でという思いから作られた「夢吟香YUMEGINGA」。愛知の酒米を愛知の田んぼで育て、愛知の酒蔵で、市民の皆さんとともに手作りをしています。“みんなで奏でる”という思いから「奏」と名づけられました。
大吟醸「奏」は、ほのかな吟香とやさしくスッキリとした味わいに醸しました。
市民の皆さんが参加する「米づくりと酒づくり食育体験」は、毎年開催しています。
- バームクーヘンをつくる「三寿園」/菓子屋・稲垣宝謙
菓子屋としてのモットーは「こだわらないことに、こだわる」。和菓子の老舗を引き継ぎましたが、私は洋菓子の修行もしています。また、お店のショーケースには、和と洋のお菓子を半々の割合で並べました。その方がお客さまにとって楽しめるからです。和と洋がコラボした新しいお菓子も味わえます。「奏」の酒粕は、吟醸酒の香りが特長。バームクーヘンにどう生かされているのか、お客さまご自身が召し上がって吟味願います。
<A word from Aichi Fermented Food Village>
純米酒「めぐる」は、リユース(再利用)を目的とした「Rマークびん」を使用し、愛知を循環型社会にすることをめざすリユースプロジェクト「めぐる」の推進役を担っています。